心理療法が何かを説明するのは、心理学とは何かを説明すること以上に難しいので、ここでは避けます

　うつ病に関する治療に特化すると、行われるのはクライエント中心療法、認知行動療法、そして極稀に箱庭療法といった心理療法や、デイケアなどです。

　学術的にも、うつ病には認知行動療法が最も効果的である、と言われています。…が、個人的には決してそうは思いません。煩いことはいちいち言いませんが、どの心理療法が自分に適しているのかは、自分で判断するしかない、ということです。オススメのものはありません。

1. クライエント中心療法

   　ここでいうクライエントというのは患者や来談者を指します。定義としては、「ロジャーズ（Rogers, C. R.）により創始された心理療法」で、「それまでの伝統的な指示的療法や解釈的な精神分析に対して、「指示を与えない」という特徴が強調されたこと」によります。「問題は何か、どう解決したらよいかについて、最も良く知っているのは、クライエント自身である」と考えています。　（以上『心理学辞典』）

   　実際の現場では、クライエント中心療法が使われているという意識は感じにくいと思いますが、基本的にクライエントの話に傾聴するという態度が取られています。そして、「ああしろ、こうしろ」と指示するのではなく、どうすれば良いか一緒に考えていくという姿勢がとられていると思います。

   　話すことだけでもカタルシスになること(要するにスッキリすること)や、色々話してみると頭の中を整理できることのがこの療法の魅力でもあります。あくまで私見なので、実際は異なるかもしれませんが。

   　

2. 認知行動療法

   　定義はうつ病関連用語集の認知行動療法で説明しております。

   　認知行動療法は、あおくま自身も受けたことがあります。クライエントの話を聞きながら、何が問題なのかを一緒に考え、気付かせ、考え方を変えていくとことが中心になります。

   　極端な例を挙げれば、仕事をミスをしたり、低い評価を受けた時に、これまでは「自分は無能で、何の価値もないダメ人間だ」と考えていたところを、「仕事がダメだからといって人間として全てがダメとは言えない」「今回は残念だったけど、次はいい評価を受けるように、やり方を考えよう」と認知を変えることです。

   　「うつ病になりやすい人は、決めつけ、全否定、深読みなど特定の思考パターンに陥りがちで、それがうつ病の引き金になってしまいます。この傾向に陥らないようにするポイントは「事実は変えられない。でも事実に対する受け止め方を変えればストレスは軽減される」と考え方を変えてみることです。うつの最大の要因、ストレスの元になる出来事（ストレッサー）から引き起こされる不健全・非合理な思い込みに対して、自分自身で「反論」し、建設的・肯定的・現実的な考え方に転換させていきます。」　（『メンタルヘルスBOOK』）　これが認知行動療法の真髄です。

   　

3. デイケア

   　定義や硬いことはうつ関連用語集を参照して頂きたいのですが、通常週4日以上、1日6時間前後、医学的・心理社会的な治療を施すことを言います。スポーツやレクリエーションを通じて、社会復帰のリハビリテーションを行うのが主な目的です。

   　

　デイケアについては、心療内科・精神科や精神福祉保健センター等で行われていると思いますし、料金もそれ程かからないと思います。休職が長期になってしまった場合などに利用してみるのもいいかもしれません。あおくまが通院している病院では、週5日の本格的なデイケアと、週4日のマイルドなデイケアに分かれています。デイケアのプログラムそのものよりも、その場に通う、というのが一番のリハビリになります。何より、同じ病気を抱えた人たちと交流できるのがうれしいことだと思います。

　千葉県の精神福祉保健センターのホームページはこちらです。　　千葉県精神保健福祉センター

　カウンセリングについては、千葉カウンセリングセンター等でやっているようですが、やはり保険の適用とならないことや、時間がかかることから、経済的、あるいは時間的に余裕がないと難しいようです。あおくまが通院している病院では、カウンセリングを医療行為として扱っています（医師の許可のもと行っている）。なので、受給者証があれば1時間で500円程度です。