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あおくまタウン 心理学関連用語集
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目次
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心理学関連用語集
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- アセスメント
「心理学的アセスメントは、対象となる事例の心理的側面に関する情報(データ)を収集し、その情報を統合し、事例の心理的問題についての総合的な査定を行う作業である。」
「心理学アセスメントは、「臨床心理学的援助を必要とする事例(個人または事態)について、その人格や状況及び規定因に関する情報を系統的に収集分析し、その結果を総合して事例への介入方針を決定するための作業仮説を生成する課程」と定義することができます。」
「心理学的アセスメントの手続きとしては、基本的には受け付け−準備−情報収集−情報処理−結果報告の各段階を経ることになります。また、情報収集の方法としては、面接法、観察法、検査法を用いることになります。さらに、面接法、観察法、検査法には、さまざまな種類があります。」「したがって、心理的アセスメントでは、対象となる事例の状態に合わせてさまざまな方法を組み合わせ多様な情報を収集し、多角的な分析をすることが必要となります。」 (以上『よくわかる臨床心理学』)
- アセチルコリン
神経伝達物質の一つで、作用速度の速いニコチン性作用と作用速度の遅いムスカリン性作用をもつ。」「心臓抑制、血管拡張、胃腸のぜん動、発汗などの作用を有す。アセチルコリンを産出し、神経終末から放出するニューロンをコリン作動性ニューロンとよぶ。」「学習、記憶、注意、覚醒などの脳機能に関与していると考えられている。」 (以上『心理学辞典』)
- A. フロイト(Freud, Anna)
「精神分析の創始者であるS.フロイトの末の娘で、正統フロイト派に属する。父フロイトがナチスに追われてロンドンに亡命した時に行動をともにし、以後イギリスを中心に活動する。防衛機制論を発展させ、自我の健康な働きを強調して精神分析的自我心理学の基礎を作る。また精神分析を子どもに適用して遊戯療法を始めた先駆者であり、児童分析のあり方をめぐって、クラインと激しい論戦を繰り広げた。」 (『心理学辞典』)
- 意識
「ものを見る、話を聞く、おかしくて笑う、計画を練るなど、我々が直接的に心の現象として経験していること、これは私の経験だと感じることのできることを相対的に意識と呼ぶ。意識内容は意識する当人のみが経験しており、その内容は言語などで表現し、知識として共有し、文化として蓄積することはできても、その時の経験そのものを他人が直接的に知ることはできない。」 (『心理学辞典』)
- 異常心理学
「行動や人格(パーソナリティ)に認められる異常な行動を研究対象とする分野の総称。このなかには病的障害としての異常と、正常者における例外的状態としての異常(催眠状態、薬物における幻覚など)が含まれる。特に前者の異常を対象とする場合は、精神医学における精神病理学とほぼ同義である。 異常というのは正常に対して相対的に定義される概念であり、文化や時代によって変わりうるものである。何を異常心理として扱うかについては議論の分かれるところであるが、その共通するところとして、 @社会規範からの逸脱 A本人の主観的悩みや苦しみ B心理的な機能不全 をあげることができる。」 (『心理学辞典』)
- 印象形成
「対人認知の主要な側面の一つ。容貌・声・身振り・風評など、他者に関した限られた情報を手掛かりとして、その人物の全体的なパーソナリティを推論すること。こうした断片的情報からでも、ある程度まとまりをもった印象が形成されるのは、人々が持っている暗黙の性格観(IPT)の働きによる。したがって、ある人物について同一の情報が与えられた場合でも、個々の認知者がもつIPTの内容いかんで全く違った印象が形成されることもある。また、印象形成の過程では、光背効果、寛大効果、ステレオタイプ認知といった種々の認知バイアスが混入しやすい。」 (『心理学辞典』)
- エリクソン(Erikson, Erik Homburger)
「幼き頃、デンマーク系の母の再婚に伴いドイツ人小児科医の養子となった。そのため、ユダヤ人学校では北欧系の容貌から異教徒として扱われ、地域ではユダヤ人として扱われ、家庭では養子として家族に所属しきれない、など周辺人としての境遇を生きた。これが後にアイデンティティという概念を生み出す基盤となる。学校教育は18歳以降受けておらず、28歳までを放浪の旅に過ごす。この体験がモラトリアムという概念の背景にあるとされる。その後、A.フロイトより児童精神分析家としての訓練を受け、1933年の渡米後は、メニンガー・クリニック、ハーヴァード大学などで臨床、教育に従事した。1950年に発表された漸成発達論(epigenesis)は、S.フロイトの心理=性的発達理論に社会・歴史的発達観を統合した包括的な理論で、そのなかにアイデンティティ、モラトリアムなどの概念が提起された。」 (『心理学辞典』)
- カウンセラー
「カウンセリングの担当者であるが、現実にはセラピスト、臨床心理士、相談員など、いろいろの名称で呼ばれている立場もこれに相当するといえる。カウンセラーの名称の資格としては、1986年より日本カウンセリング学会で「日本カウンセリング学会認定カウンセラー」の認定が始められた。」 (『心理学辞典』)
- カウンセリング
「カウンセリングについての代表的な概念規定として、澤田慶介(1984)は次の三つを紹介している。 @「適応上の問題を解決し、解決することというような関係」(English, H. B. ほか) A「自分一人では拮抗できない問題で悩まされている個人と、訓練と経験とによって、他人に個人的障害の解決が可能になるように援助できる資格を備えた専門家との間の一対一の関係において生起する過程」(Hajn, M. B. ほか) B「二人の人の間の社会的学習の相互作用である。その方法・目的は単純な忠告という極から強い長期の心理学的処置という他の極まで広がる。相談の機能は、来談者が自分のあるがままの姿を理解し、受容し、この自己覚知に照らし、自己の可能性の実現の援助を目指す。この際必要ならば、彼らの態度、見方や行動を改めたり修正したりすることも行われる」(McGowan, J. F. ほか)。 これらの定義は、個人カウンセリングに比重がおかれているといえる。」 (『心理学辞典』)
- 学習心理学
「学習を研究対象とする心理学の一分野。学習理論ともいう。心理学の学習研究は、エビングハウスの記憶実験に始まるとされる。その後、20世紀初頭にかけてなされた、パヴロフの条件反射、ソーンダイクの問題箱における試行錯誤学習、ケーラーの見通し学習などの先駆的研究は、ワトソンの行動主義とともに、その後の学習心理学に大きな影響を与えた。」 (『心理学辞典』)
- 錯視
「視覚領域における錯覚のこと。ほとんどの錯覚は錯視に含まれる。有名なものとしては、幾何学的錯視、反転錯視、月の錯視、対比錯視、運動錯視などがある。反転錯視は、奥行き反転図形、図地反転図形、多義図形などに区別され、多数の図形や絵が発見(創作)されている。運動錯視では滝錯視やホイール錯視(馬車や自動車の車輪が進行方向とは矛盾した回転現象に見える)などがよく知られている。しかし、錯視と特に命名されていない現象のなかにも、錯視と本質的に区別できない事象はたくさん存在する。たとえば、自動運動、仮現運動、誘導運動などは、刺激の客観的性質と知覚された現象が全く異なる劇的な運動の錯視といえる。」 (『心理学辞典』)
- S. フロイト(Freud, Sigmund)
「精神科医で、精神分析の創始者。長くウィーンに在住し、最晩年にナチスに追われてロンドンに亡命するまで、その地で活動した。」「フロイト理論において何よりも重要な点は無意識への着目であり、人の行動や神経症的症状が無意識的な願望や衝動の影響を受けて因果的に決定されるということである(心的決定論)。また彼は、無意識的衝動を性的色彩を帯びた心的エネルギーとしてのリビドーの概念で説明し、そのリビドーの正常な発達について幼児期体験の重要性を指摘した。」 (以上『心理学辞典』)
- シナプス
「神経細胞相互の接合部位。通常、ニューロンの軸索終末またはその途中が膨らんでシナプス小頭部となって、その標的のニューロンや筋細胞と接触する時に作る継ぎ目構造をいう。」 (『心理学辞典』)
- 社会心理学
「個人とその社会的状況との間の相互的な影響過程を科学的に研究する学問の一分野。研究対象は多様であり、個人の心理過程に関しては自己、帰属過程、態度と態度変容、対人認知など、対人的過程に関しては攻撃、援助、説得、対人魅力、対人コミュニケーション、対人関係など、集団内行動に関しては集団の構造・機能、社会的勢力、リーダーシップアド、集団間行動に関しては偏見、差別、協力と競争、取引、交渉など、社会の水準に関しては集合行動(流言など)、普及課程、消費・購買行動などがあげられる。 研究方法としては、心理学的な社会心理学では実験が中心的に用いられる。」 (『心理学辞典』)
- 神経細胞
「ニューロンと同義。通常、核が存在する細胞体、それから伸びる1本の長い軸索、比較的細くて短く複雑に分枝した数本ないしは数十本の樹状突起からなる。」 「神経終末部はいくつかに分枝しその先端は少し膨らみシナプス小頭と呼ばれる。」「シナプス小頭は他の神経細胞あるいは筋細胞とシナプス結合しており、ここから放出される伝達物質によりシナプス前細胞の信号をシナプス後細胞に伝達する。」 (以上『心理学辞典』)
- 神経伝達物質
「シナプスでシグナル伝達に介在する物質で、神経細胞などに多く存在する。」 (『メンタルヘルスBOOK』)
ギャバ : 正式な名前はガンマアミノ酪酸。英語の略語GABAからギャバと呼ばれている。この物質には、不安やいらいらを取り除き、眠りに導き、てんかん発作を抑える働きがある。この物質の働きが悪くなると、不安、不眠、てんかん発作が起こる。 (『よくわかる臨床心理学』)
セロトニン : 気分との関係が指摘されている。食物に含まれているトリプトファンというアミノ酸が、腸から吸収されて、脳に取り込まれて作られる。うつ病の患者では、健康な人と比べて、脳内のセロトニンの量が少なくなっている。最近話題のSSRIは、セロトニンの働きを増す抗うつ薬である。 (『よくわかる臨床心理学』)
ドーパミン : 情緒、意欲、幻覚、妄想と関係する。ドーパミンが適度に働いていると、気分よく、活発に生活できるが、働きが強すぎると情緒が不安定になり、幻覚妄想状態が起こる。ドーパミンの働きは落ちると、パーキンソン症状が起きることがある。 (『よくわかる臨床心理学』)
ノルアドレナリン : 不安や意欲と関係する。ノルアドレナリンの働きが、意欲が低下しているうつ病では落ち、活動性が高まっている躁病では上がっているといわれている。また、不安が強くなると、ノルアドレナリンの働きが強まり、これに伴って、動機がしたり、血圧が上がる。 (『よくわかる臨床心理学』)
- 深層心理学
「人間行動の理解に無意識を重視する心理学のことであるが、精神分析学と同義に用いられることもある。より表層的な意識の部分と真相の無意識という精神の階層構造論の立場から、意識よりも無意識に立って人間の行動が左右されているとみる立場が深層心理学である。意識や意志の関与しない夢や自由連想法が深層心理を探る手段として重視される。深層心理学において主体性は、無意識的衝動の適切なコントロールに求められる。」 (『心理学辞典』)
- 精神分析
「S.フロイトの創始した心理学理論であり、その理論に基づく心理療法であって、人間心理の研究方法でもある。」「今日では精神分析は精神医学や心理学のみならず、他の学問分野へ大きな影響を及ぼしている。そもそもフロイトは、「(人の)内部に抑圧されている精神的なものを意識化する仕事を我々は精神分析と名付けた」(Freud, S. ,1918b)として、無意識の真相を研究する科学と定義したが、彼の娘であるA.フロイト(Freud, A. ,1936)は、「深層心理学すなわち精神分析ではなく、(イド、自我、超自我)これらの三つの部分について完全知識を得ることが精神分析の課題である」としている。」 (以上『心理学辞典』)
- 退行
「防衛機制の一つで、以前の未熟な段階の行動に逆戻りしたり、未分化な思考や表現の様式となること。弟や妹の誕生後に夜尿や指しゃぶりが再発するなどは、この例である。」 (『心理学辞典』)
- 内発的動機づけ
「この概念は、もともとは、1940〜50年代の心理学において優勢であった動因低減説への反論として導入された。動因低減説では、生体を本来怠け者として捉え、不都合な状態(不快な緊張状態としての動因)が生じない限り、自ら進んで行動したり学習したりしないと見なしたのに対し、内発的動機づけ説では、生態を本来活動的で、絶えず環境と相互交渉しつつ自らの有能さを追求していく存在として概念化した。内発的動機づけの原型は、知的好奇心(認知的動機づけとも呼ばれる)ないし理解への動機づけであるが、これに加えて熟達への動機づけや社会的相互交渉への動機づけを含めることもある。」 (『心理学辞典』)
- 認知心理学
「1950年代後半以降に情報科学の影響を受け、人間を一種の高次情報処理システムとみなす人間観に基づき、相互に関連する情報処理系を仮定し、そこにおいて実現される情報処理過程の解明によって、心的活動を理解しようとする心理学の一分野を指す。現在の認知心理学は、情報科学や言語科学と密接な関係を有する認知科学や、脳科学との連携のもとに発展しつつある。」 (『心理学辞典』)
- ハヴィガースト(Havighurst, Robert, James)
「1924年オハイオ州立大学で、物理化学専攻で博士号を取得。28年専門領域の転換をし、ウィスコンシン大学、オハイオ州立大学等において理科教育をはじめ教育の諸問題を研究。34年以降、子どもや青少年のパーソナリティ発達の研究や著作で活躍するようになる。41年人間発達過程の学際的研究を始めたシカゴ大学へ、教育および人間発達学の教授として招聘され、研究を発展させた。」 (『心理学辞典』)
- パーソナリティ心理学
「人格や性格、つまり「その人らしさ」を研究の対象とした心理学の領域。したがって、心理学の他の領域と比べ、個人差に対する関心が非常に高い。」 (『心理学辞典』)
- 発達心理学
「精神発達を対象として、時間経過に従って生じる発達的変化についての一般的な特徴や法則性を記述するとともに、発達的変化をおし進める要因についても検討を試みる心理学の一分野である。この分野はアメリカのホールが19世紀末に児童心理学として建設し、それまで無理解であった児童の権利を擁護しようという運動とあいまって発展した。ホールが当時の生物学の影響により、青年期までの初期発達を重視したところから、発達心理学と児童心理学とはほぼ同義の分野として扱われてきた。しかし、発達を規定する要因について、遺伝か環境かが議論され、現在では相互作用を重視する方向へと研究が進んできており、遺伝や成熟だけではなく、加齢に伴うさまざまな経験要因を重視する傾向が強くなってきているところから、初期発達のみを重視する傾向が徐々に変化しつつある。」 (『心理学辞典』)
- ピアジェ(Piaget, Jean)
「チューリッヒついでパリで心理学を学んだ後、1921年以降、ジュネーヴを本拠地に知能の構造を明らかにするための児童心理学研究を続け、かたわら科学史における観念の発達と子どもにおける観念の発達を並行させて研究した。」 (『心理学辞典』)
- ベック(Beck, Aaron T.)
「認知療法を創始した精神科医。イェール大学医学部を卒業した後、精神分析療法を行っていたが、うつ病の精神療法的研究を通して認知のあり方がうつなどの情緒状態と深く関連していることを明らかにして、短期間の構造化された面接で非適応的な認知を修正することによってうつ病やパニック障害などの精神疾患を治療することを目的とした認知療法を提唱した。」 (『心理学辞典』)
- 防衛機制
「不安や抑うつ、罪悪感、恥などのような不快な感情の体験を弱めたり、避けることによって心理的な安定を保つために用いられるさまざまな心理的作用で、通常は意識して生じることはない。苦痛な感情を引き起こすような受け入れがたい観念や感情を受け流すために無意識的に取る心理的過程をS.フロイトが防衛という用語で1894年に初めて記述して以来、さまざまな種類の防衛機制が主として精神分析学者たちによって検討されてきた。なかでも抑圧は最も基本となるもので、初期には防衛とほとんど同義に用いられていた。A.フロイト(Freud, A. ,1936)は初めて防衛機制という用語のもとに、抑圧、退行、反動形成、置き換え、投影、隔離、打ち消し、否認、自己への向け変え、逆転をあげ、他にも攻撃者との同一化(同一視)、愛他主義などについて記載している。」 (『心理学辞典』)
- ボウルビー(Bowlby, John)
「イギリスの児童精神医学者で愛着(アタッチメント)理論の創始者。ケンブリッジ大学で医学を学んだ後に精神分析学を学ぶ。戦後はロンドンのタヴィストック・クリニックで治療と研究にあたる。WHOの委託を受けて行った施設児に関する研究の報告書の中で示したマターナル・ディプリベーションという概念は大きな反響をよび、この概念は後の彼の愛着理論の出発点となった。」 (『心理学辞典』)
- 無意識
「一般に、個人の行動を左右し、思考や感情の方向づけに大きな影響を与えながらも、本人には自覚されていない心的過程をいう。本人の意識や意志のほかにも心的決定要因が存在することは、古くプラトンの頃から哲学や心理学の分野で問題にされてきた。」 (『心理学辞典』)
- ユング(Jung, Carl Gustav)
「スイスの精神科医で分析心理学の創始者。自らを魂の医者とよび、まさに魂の医者として生涯を送った。1900年にバーゼル大学で医学を修めた後、ブロイラーやジャネの指導を受ける。1907年にS.フロイトと出会い、11年には彼の推薦で国際精神分析学会の初代会長となるが、12年にフロイトとは相容れない独自の見解を「リビドーの変遷と象徴」に著したことで二人は訣別する。その後激しい精神的苦闘を経て、彼独自の「分析心理学」を確立した。両者の相違はフロイトの関心がおもに神経症にあり、ユングのそれが精神分裂病であったことにもよる。ユングは無意識を個人的無意識と人類に普遍的な集合的無意識に分け、無意識の内容として抑圧された性的なものだけでなく、創造的なものをも認めた。」 (『心理学辞典』)
- 抑圧
「代表的な防衛機制で、観念、感情、思考、空想、記憶を意識から締め出そうとする無意識的な心理的作用。多くの防衛機制のなかでも最も基本的なものとして、しばしば他のものとともに作用する。親やきょうだいに向けた憎しみの感情が意識されないなどはこの例である。本能・衝動を伴う観念や空想、記憶は絶えず放出されて意識に上り、満足を得ようとするが、抑圧によってこれらは無意識的なものに留まる。しかし抑圧された内容は、夢、言い間違いなどの失錯行為、白昼夢、症状などのなかに現れるとされる。」 (『心理学辞典』)
- 臨床心理学
「あえて定義すれば、「主として心理・行動面の障害の治療・援助、およびこれらの障害の予防、さらに人々の心理・行動面のより健全な向上を図ることを目指す心理学の一専門分野」となろう。 臨床心理学の誕生は、1896年にウィットマー(Witmer, L.)がペンシルヴェニア大学に心理クリニックを開設した時とされ、臨床心理学という用語が彼によって初めて用いられたとされているが、心理学史上、臨床心理学の展開に大きく寄与したものとしては、精神測定法と力動心理学(力学的心理学)をあげることができる。19世紀後半から20世紀初頭にかけてゴールトンの個人差の測定やJ. M. キャッテルのメンタル・テスト作成の試みなどの精神測定法の開発の萌芽を見るが、1905年のビネーらによる知能検査の開発によって個人の総力の測定、鑑別などの実践研究の領域が大きく進展することとなる。」 (『心理学辞典』)
- ロジャーズ(Rogers, Carl Ransom)
「アメリカの心理学者で、クライエント中心療法の創始者。厳格なプロテスタントの家庭に育つ。農学、史学、神学と多様な領域を学んだ後、1931年コロンビア大学で教育心理学と臨床心理学の学位を取得した。以降、児童相談臨床に携わり、ロチェスター児童虐待防止協会研究部長を経て、オハイオ州立大学、シカゴ大学等で教育と研究に従事した。彼は非行少年の面接を通して、当時行われていた心理療法が再犯防止にあまり役立たないことを経験し、彼独自の人間観に立った新しい心理療法を展開していく。1942年『カウンセリングと心理療法』に既存の指示的療法とは正反対の治療観を表し、大きな議論を巻き起こした。これは当初、非指示的精神療法と呼ばれたが、後にクライエント中心療法と称されるようになった。」 (『心理学辞典』)
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